The Challenge
明治から続く砂子加飾技法は、和紙の上に金銀砂子を施すことで、光を含んだ繊細な表情を生み出してきました。一方で、その表現は主に紙の世界に閉じており、現代の空間やプロダクトにどう展開できるかには、まだ余白がありました。湯島アートが持つ技術の魅力を、従来の用途にとどめず、より広い表現領域へ広げていくこと。その可能性を探る中で、オクノテは「砂子加飾をガラスに応用する」という新しい挑戦に伴走しました。単なる新商品開発ではなく、伝統技法の見え方そのものを更新する取り組みとして始まったプロジェクトです。
Our Approach
オクノテは、砂子加飾がガラスという素材に移ったとき、どのような光の表情を生み出せるのかを検討するところから関わりました。紙の上では面として受け止められていた金銀のきらめきが、ガラスでは透過・反射・重なりによって異なる表情を見せます。その特性を活かしながら、湯島アートの技術が持つ繊細さを損なわない表現方法を探っていきました。素材の選定、見え方の検証、用途の広がり、展示や発信における伝え方までを含め、砂子加飾を「紙の技法」から「光を扱う表現」へと捉え直すことを重視しました。
The Result
この取り組みによって、砂子加飾は紙の上だけで成立する技法ではなく、ガラスを通じて空間や光と関係を結ぶ表現として展開できる可能性が見えてきました。湯島アートにとっては、長く受け継いできた技術を新しい素材へ応用するきっかけとなり、オクノテにとっても、伝統技法の価値を別の素材・用途へ翻訳する実践となりました。特定のプロダクトを完成させることだけを目的にするのではなく、「砂子硝子」という新しい表現の入口をつくったことが、本プロジェクトの大きな意義です。会社案内・Webリニューアルから続く関係性の中で、技術の発信から表現開発へと協業の幅が広がった取り組みでもあります。
Project Information
Client: Yushima Art
Craftsman: Kiyoshi Isshiki / Ayako Isshiki
Planning: Satoru Shimizu
Product Design: Satoru Shimizu
