The Challenge
市場縮小と職人不足は、伝統工芸が共通して抱える構造的な課題です。名古屋の黒染紋付と名古屋扇子という、異なる伝統工芸を担う2社が、それぞれ単独では打開しづらい状況にありました。名古屋市主催のマッチングイベントを起点に、業種の異なる伝統工芸同士を組み合わせることで新しい価値を生み出せないかという発想が出発点になりました。この案件では事業開発支援とブランド開発を中心に、単なる商品企画ではなくブランドとしての一貫性も求められる状況でした。
Our Approach
名古屋市主催のマッチングイベントでの出会いをきっかけに、2つの伝統工芸を融合させる新ブランド「KOKUSEN」の企画とデザインを担当しました。それぞれの技術を単純に並べるのではなく、染めと扇という異なる工芸の特性を組み合わせた商品として再構成し、ブランドとしての一貫性を持たせる設計を行いました。名古屋黒染紋付と名古屋扇子という、業種としては縁の薄い2社をマッチングという行政の枠組みを通じて結びつけた点が出発点となっています。
The Result
「市場縮小・職人不足」という課題そのものをプロジェクトの存在理由に転換する企画思考を実践し、産業横断型のブランドを立ち上げることにつながりました。単独では声を上げにくい中小の工芸事業者が、異業種との掛け合わせによって新たな商品価値とストーリーを得られることを示した事例であり、地域の工芸産業における協業取り組みの一つとなっています。市場縮小・職人不足という後ろ向きの課題を、複数工芸の掛け合わせという前向きな企画の起点に転換した点が、本件の企画思考としての特徴として挙げられます。
Project Information
Client: Suehirodo
Design: Satoru Shimizu
